読書10 EVシフトの危険な未来 間違いだらけの脱炭素政策[ 藤村俊夫 ]

実用書

【注意】記事はブログ管理人の主観になります。
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概要

2050年カーボンニュートラルへ向けた自動車業界のパラダイムシフトについて、言葉だけが先行してしまい現実は問題だらけであることを業界に詳しい人間でないと分からない情報を元に指摘していく。

EVによるCO2削減を考える上で必要なことは、走行時だけではない。
自動車メーカーは環境と顧客ニーズを両立させる上で以下の点を考慮する必要がある。
『Well to Wheel』
   油田からタイヤを駆動するまで。WtW。
   エネルギー製造から輸送、車の走行にわたる全てのCO2排出量。
『Life Cycle Assesment』
   原材料の採取から材料の加工、生産、流通、WtW、メンテナンスを経て、
   最終的に廃棄またはリサイクルするまで、製品のライフサイクル全体を通じた環境負荷の評価

今のEVは走行距離・価格・インフラの全てを満足させることが難しい。
にもかかわらず、なぜEV普及を急いでいるのか。
ハイブリッド車や燃料電池車があまり取り沙汰されないのはなぜか。
現時点での最適解は何なのか
欧州で起きた事件からこれからの自動車業界を予測していく。

感想

読み終えた最初の感想として、同じことを繰り返している。
概要でも書いた「WtW」「LCA」だ。

様々なデータを用いて問題点を指摘しているが、情報が多すぎてお腹いっぱい。
ざっくりまとめると以下のとおり。
 ・軽量かつ大容量の電池が実用化されない限り、ハイブリッド車が最適。
 ・自動車業界は熱効率の良いエンジンの開発も継続している。
 ・その他の燃料(水素・バイオ燃料など)もまだ選択肢としている。
詳しすぎて途中から流し読みになってしまった。

電力不足が叫ばれるような中、EVへの転換はまだ先の話かと。
電池が切れた車への充電がガソリン給油と同じくらい素早く出来ないと普及しないと思う。

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